日常的にコンタクトレンズを使用している人にとって、まぶたにしこりができる霰粒腫は、特に気になるトラブルの一つです。コンタクトレンズの使用が、直接的に霰粒腫の原因になるという明確な医学的根拠はありませんが、不適切な使用方法が、間接的に発症のリスクを高めたり、症状を悪化させたりする可能性は十分に考えられます。まず、コンタクトレンズを装用していると、まばたきの回数が減ったり、まばたきが不完全になったりする傾向があります。マイボーム腺からの油分は、まばたきによってまぶたの縁に押し出され、涙の表面に広がります。このまばたきの機能が低下すると、油分がうまく排出されずに腺の中に溜まりやすくなり、霰粒腫の引き金となる可能性があります。また、レンズの洗浄やケアが不十分で、レンズ自体が汚れている場合、その汚れがマイボーム腺の出口を塞いだり、まぶたの縁に刺激を与えたりすることも考えられます。特に、タンパク質や脂質の汚れが付着したレンズは、まぶたのトラブルのリスクを高めます。では、すでに霰粒腫ができてしまった場合、コンタクトレンズの使用はどうすればよいのでしょうか。原則として、まぶたにしこりや腫れといった異常がある場合は、「コンタクトレンズの使用は中止する」のが賢明です。しこりがある状態でコンタクトレンズを装用すると、レンズがしこりに物理的な刺激を与え、炎症を悪化させる可能性があります。また、しこりによってまぶたの形状が変化し、レンズがフィットしにくくなったり、レンズが眼球を圧迫して違和感や痛みを感じたりすることもあります。さらに、霰粒腫の治療で点眼薬や眼軟膏を使用する場合、コンタ-クトレンズを装用したままでは、薬の成分がレンズに吸着してしまったり、薬が十分に効果を発揮できなかったりします。特に、防腐剤が含まれている点眼薬は、ソフトコンタクトレンズに蓄積して目にダメージを与える可能性があるため、注意が必要です。眼科で霰粒腫と診断されたら、医師の許可が出るまでは、眼鏡で過ごすようにしましょう。症状が治まり、コンタクトレンズの装用を再開する際も、レンズの種類やケア方法が適切か、改めて眼科医に相談することが、再発を防ぐためにも重要です。
コンタクトレンズと霰粒腫の気になる関係