娘が1歳になったばかりの夏、それは突然やってきました。朝から少し熱っぽいなと思っていたら、お昼には39度を超える高熱。慌てて小児科に駆け込みましたが、喉の赤みも軽く、中耳炎でもない。「おそらく突発性発疹でしょう」との診断でした。その日から、3日間の高熱との戦いが始まりました。幸い娘は水分だけは取ってくれたので、ひたすら冷却シートと水分補給で乗り切りました。そして4日目の朝、熱が嘘のようにストンと下がったのです。私は心から安堵し、「ああ、これで大変な時期は終わった」と、久しぶりに肩の力を抜きました。しかし、本当の戦いは、そこからだったのです。熱が下がると同時に、娘は今まで見たこともないような「不機身の塊」と化しました。何をしても気に入らない。抱っこをせがんで泣き叫ぶかと思えば、抱っこしても体を反り返らせて嫌がる。大好きだったおもちゃを投げつけ、ご飯を拒否し、一日中「イヤー!」「マンマー!」と泣き続けていました。お腹や背中には、案の定、赤い発疹が広がっていましたが、それよりも何よりも、この理不尽な不機嫌に、私は心身ともに削られていきました。夜も、一時間おきに火がついたように泣き叫び、夫と交代で夜通し抱っこして家の中を歩き回りました。「いつまで続くの?」「このまま、この子の性格が変わってしまったらどうしよう」そんなネガティブな考えばかりが頭をよぎり、私も一緒に泣いてしまいたい気持ちでした。まさに地獄のような不機嫌のピークは、解熱してから丸二日間続きました。そして三日目の午後、あれほど泣き叫んでいた娘が、ふと泣き止み、私の差し出したお茶をこくりと飲み、そして、おもちゃのブロックに手を伸ばしたのです。その瞬間、私は暗く長いトンネルに、ようやく一筋の光が差したのを感じました。その夜は、久しぶりに三時間まとめて眠ることができ、翌日には、時々ぐずるものの、少しずついつもの笑顔が見られるようになりました。あの壮絶な不機嫌は、一体何だったのか。今となっては、高熱で体力を消耗し、本人もつらかったのだろうと思います。もし今、同じように「いつまで」と途方に暮れている方がいたら、伝えたいです。必ず終わりは来ます。その不機嫌は、長くても数日です。どうかご自身の心と体を休ませながら、嵐が過ぎ去るのを待ってください。
我が子の不機嫌はいつまで続いたかという体験