突発性発疹を経験した多くの保護者が、口を揃えて「熱よりも、その後の不機嫌の方が何倍も大変だった」と語ります。高熱が下がり、病気の峠は越えたはずなのに、我が子はまるで別人のように、一日中泣き叫び、甘え、何をしても気に入らない「不機嫌の塊」と化してしまう。この現象は、突発性発疹の最大の特徴とも言えるものであり、保護者の心身を最も消耗させる試練の期間です。この、出口の見えないような不機嫌は、一体いつまで続くのでしょうか。まず、なぜこのような極端な不機嫌が起こるのか。その正確な原因は、実はまだ医学的にはっきりと解明されていません。しかし、いくつかの要因が複合的に関わっていると考えられています。一つは、高熱による「身体的な消耗」です。数日間にわたる高熱との戦いで、子どもの体力は限界まで奪われています。大人でも高熱の後は体がだるく、気分が優れないものです。言葉で不調を訴えられない赤ちゃんは、その不快感を「泣く」「ぐずる」という形でしか表現できないのです。また、突発性発疹の原因であるヒトヘルペスウイルス6型が、脳に何らかの一時的な影響を与え、情動が不安定になるのではないか、という説もあります。脳がまだ未熟な乳幼児だからこそ、このような顕著な不機嫌として現れるのかもしれません。では、この試練の期間は、いつまで続くのでしょうか。個人差が非常に大きいですが、一般的には、「解熱後から始まり、2~3日間がピーク」で、その後は徐々に落ち着いていくことが多いとされています。まさに、発疹が出ている期間と、この不機嫌の期間は、ほぼ重なっていると考えてよいでしょう。保護者にとっては、永遠に続くかのように感じられる辛い時間ですが、「終わりは必ず来る」ということを、どうか忘れないでください。この時期を乗り切るための特効薬はありません。ひたすら子どもの要求に付き合い、安全を確保しながら、保護者自身が倒れないようにすることが何よりも大切です。パートナーと協力して休息を取る、家事は最低限にする、好きな音楽を聴くなど、少しでも自分の心を守る工夫をしてください。「いつまで」と終わりを待ち望むよりも、今この瞬間をどう乗り切るかに集中することが、結果的にこの嵐をやり過ごすための最善策となるのです。
解熱後の不機嫌は一体いつまで続くのか