我が子に突然、39度を超えるような高熱が出た時、多くの保護者は強い不安に駆られます。他に目立った症状はなく、ただひたすらに高い熱。小児科を受診しても「おそらく突発性発疹でしょうが、熱が下がって発疹が出るまでは確定できません」と言われ、もどかしい気持ちで過ごす数日間。この病気の全体像と、それぞれの症状がいつまで続くのかを知っておくことは、保護者の不安を和らげる上で非常に重要です。突発性発疹の経過は、非常に典型的で、ドラマチックな二段階のプロセスを辿ります。まず第1段階は「発熱期」です。多くの場合、前触れもなく38度から40度の高熱が突然出ます。この高熱は、通常3日から4日間続きます。熱が高い割には、比較的機嫌が良く、水分も摂れることが多いのが特徴ですが、もちろん個人差はあり、ぐったりしてしまう子もいます。この期間は、解熱剤を適切に使いながら、水分補給を徹底し、子どもが楽に過ごせるようにサポートすることが中心となります。そして、この熱がストンと平熱に下がると、第2段階である「発疹期」へと移行します。まるで熱と入れ替わるように、解熱とほぼ同時に、お腹や背中を中心に、赤く細かい発疹が現れ始めます。この発疹は、次第に顔や首、手足へと広がっていきますが、不思議なことに、痒みや痛みはほとんど伴いません。この発疹こそが、それまでの高熱が突発性発疹によるものであったことを確定させる「診断の証」となるのです。保護者としては、熱が下がったのに今度は全身に発疹が出てきて、新たな心配をしてしまうかもしれませんが、これは病気が治癒に向かっているサインなので、安心してください。この発疹の期間は、およそ3日から4日程度です。その後は、まるで嵐が過ぎ去ったかのように、跡形もなく綺麗に消えていきます。つまり、発熱期と発疹期を合わせると、病気の主な症状が続く期間は、全体で約1週間程度ということになります。この典型的な経過を知っておくだけで、「この熱はあと数日、発疹が出ても数日で消える」という見通しが立ち、少しだけ落ち着いて看病に臨むことができるでしょう。
突発性発疹の熱と発疹はいつまで続くのか