3日間にわたる高熱がようやく下がり、親としてホッと胸をなでおろしたのも束の間、今度は子どものお腹や背中に、びっしりと広がる赤い発疹。これには、多くの保護者が「また別の病気?」「熱で毒素が出ているの?」と、新たな不安を覚えてしまいます。しかし、この解熱後の発疹こそが、それまでの高熱の正体が「突発性発疹」であったことを証明する、最も確実な証拠なのです。この発疹は、病気が治っていく過程で現れる、いわば「治癒のサイン」であり、決して心配なものではありません。その特徴と、いつまで続くのかという経過について、正しく理解しておきましょう。突発性発疹の発疹は、熱が下がるとほぼ同時に、あるいは半日程度の時間差で現れ始めます。最初は、お腹や背中、胸といった体幹部を中心に、数ミリ程度の、平ら、あるいは少し盛り上がった不規則な形の赤い発疹が、ポツポツと出始めます。その様子は、まるで地図のように見えることもあります。その後、24時間以内には、首や顔、腕や足へと、全身に広がっていきます。一見すると、麻疹(はしか)や風疹の発疹と似ているため、不安になるかもしれませんが、突発性発疹の発疹には、いくつかの重要な特徴があります。まず、ほとんどの場合、「痒みや痛みを伴わない」ことです。子ども自身は、発疹を気にして掻きむしるようなことは、まずありません。また、麻疹のように発疹同士が融合して大きな一つの面になったり、風疹のように色素沈着を残したりすることもありません。では、この全身に広がった発疹は、一体いつまで続くのでしょうか。心配になるかもしれませんが、この発疹の勢いが続くのは、出現してからせいぜい1~2日です。その後、出現した時と同じように、3日から4日という短い期間で、跡形もなく、すーっと綺麗に消えていきます。まるで、幻だったかのように、肌は元の状態に戻るのです。保護者としては、見た目の派手さに驚き、「このまま残ったらどうしよう」と心配してしまうかもしれませんが、突発性発疹の発疹は、皮膚にダメージを残すことなく消えていくのが大きな特徴です。焦らず、慌てず、これも成長の一過程なのだと、ゆったりとした気持ちで見守ってあげてください。