高熱と不機嫌の嵐が過ぎ去り、子どもの体に残る赤い発疹。病気の峠は越えたと分かっていても、回復期の子どものケアには、色々と迷うものです。その代表的な疑問の一つが、「お風呂はいつから入れても良いのか」という問題でしょう。汗をかいて気持ち悪いだろうから入れてあげたいけれど、発疹が悪化したり、体に負担がかかったりしないか心配になります。突発性発疹後の入浴のタイミングと注意点について、正しく理解しておきましょう。まず、大原則として、「高熱が出ている間」は、入浴は避けるべきです。熱が高い時に体力を消耗させるのは得策ではありません。この期間は、お湯で濡らしたタオルで、汗をかいた部分などを優しく拭いてあげる「清拭(せいしき)」に留めましょう。では、いつからお風呂を再開できるのか。その目安は、「熱が下がり、子どもの機嫌や全身状態が良いこと」です。熱が平熱に戻り、ぐったりした様子がなく、ある程度元気を取り戻していれば、たとえ発疹が出ていても、お風呂に入ること自体は全く問題ありません。むしろ、汗や汚れを洗い流して皮膚を清潔に保つことは、あせもなどの二次的な皮膚トラブルを防ぐ上で、推奨されるべきことです。ただし、病み上がりの体は、まだ本調子ではありません。入浴の際には、いくつかの注意点があります。第一に、「長湯は避ける」ことです。体力の消耗を最小限にするため、ぬるめのお湯(38~39度程度)で、短時間で済ませるように心がけましょう。シャワー浴だけでも十分です。第二に、「発疹をゴシゴシ擦らない」ことです。突発性発疹の発疹は痒みを伴わないことがほとんどですが、物理的な刺激を与えるのは良くありません。石鹸をよく泡立てて、手のひらや柔らかいガーゼで、優しく撫でるように洗ってあげてください。第三に、入浴後の「水分補給と保湿」です。お風呂で汗をかいた後は、湯冷ましや麦茶などで、しっかりと水分を補給してあげましょう。また、入浴後の肌は乾燥しやすいため、必要に応じて、低刺激性の保湿剤を塗ってあげるのも良いでしょう。発疹が出ている間も、これらの点に気をつければ、お風呂は子どもの気分転換にもなり、快適な療養の助けとなります。全ては「子どもの状態」が判断基準です。焦らず、子どものペースに合わせて、少しずつ普段の生活に戻していきましょう。