マイコプラズマ肺炎による高熱が続くと、つい「熱」そのものを悪者だと考えてしまいがちです。解熱剤を使ってでも、すぐに下げなければならないと考えてしまうかもしれません。しかし、発熱は、実は私たちの体が病原体と懸命に戦っている証拠であり、免疫システムが正常に機能しているサインなのです。この体の仕組みを理解すると、熱が下がらない期間を少しだけ落ち着いて見守ることができるようになります。マイコプラズマ菌が体内に侵入すると、私たちの体の免疫細胞がそれを異物として認識し、攻撃を開始します。この時、免疫細胞は「サイトカイン」という情報伝達物質を放出します。このサイトカインが脳の体温調節中枢に働きかけることで、体温が上昇します。体温が上がることで、免疫細胞の活動はより活発になり、逆に細菌やウイルスの増殖は抑制されます。つまり、発熱は、体が自ら病原体にとって不利な環境を作り出し、免疫軍が戦いやすいように応援している状態なのです。マイコプラズマ肺炎で熱が長引くのは、この菌がしぶとく、免疫システムが長期戦を強いられていることを意味します。特に薬剤耐性菌の場合は、抗生物質の助けが得られにくいため、自らの免疫力だけで戦わなければならず、発熱期間がさらに長くなる傾向があります。もちろん、高熱が続きすぎると体力を著しく消耗するため、解熱剤を使って一時的に体を休ませることは必要です。しかし、解熱剤はあくまで症状を和らげる対症療法であり、病気そのものを治しているわけではありません。本当の意味での回復は、体の免疫が菌を打ち負かした時に訪れます。適切な抗生物質が効き始めたり、自身の免疫が優勢になったりすると、サイトカインの放出が収まり、自然と熱は下がっていきます。熱が下がらない日々は不安ですが、それは体が一生懸命戦っている時間なのだと理解し、十分な栄養と休息でその戦いをサポートしてあげることが大切です。
熱は体が戦うサイン!マイコプラズマ肺炎の回復過程