女性の体は、その生涯を通じてホルモンバランスがダイナミックに変動します。このホルモンの波は、心と体に様々な影響を及ぼし、時として「眠れない」という深刻な悩みとなって現れることがあります。女性特有の不眠は、その背景にあるホルモンの状態を考慮する必要があるため、どの診療科に相談すべきか迷う方も少なくありません。例えば、月経前になると決まってイライラして眠れなくなる、という経験を持つ女性は多いでしょう。これは月経前症候群(PMS)の一症状であり、女性ホルモンであるプロゲステロンの変動が関わっていると考えられています。また、妊娠中や産後は、体の変化や頻尿、育児への不安、授乳による睡眠の中断など、不眠に陥りやすい要因がいくつも重なります。そして、多くの女性が不眠を経験するのが「更年期」です。女性ホルモン(エストロゲン)が急激に減少することで、自律神経のバランスが乱れ、ほてりやのぼせ、動悸といった症状(ホットフラッシュ)が夜間に起こり、眠りを妨げます。このような女性ホルモンの変動が原因と思われる不眠の場合、まず相談先の選択肢として考えたいのが「婦人科」です。婦人科では、ホルモン補充療法(HRT)や漢方薬などを用いて、ホルモンバランスの乱れからくる不快な症状を和らげる治療を受けることができます。その結果、不眠が改善されるケースも少なくありません。もちろん、ストレスや気分の落ち込みが強い場合は「心療内科」や「精神科」が適していますし、両方の科が連携して治療にあたることもあります。大切なのは、「これは女性だから仕方ない」と一人で我慢しないことです。月経周期やライフステージと連動して現れる不眠は、適切な治療によって改善できる可能性があります。まずは自分の体のリズムと向き合い、婦人科という選択肢も視野に入れて、専門家に相談してみてはいかがでしょうか。
女性特有の眠れない悩みは何科に相談する