「眠れない」という悩みは、単に精神的なストレスや疲れだけが原因とは限りません。時として、体のどこかに潜んでいる病気が、質の良い睡眠を妨げていることがあります。そのような「身体的要因による不眠」の場合、原因となっている病気を治療することが、結果的に不眠の解消につながります。そのためには、自分の症状に合った適切な診療科を選ぶことが非常に重要です。例えば、家族から「いびきがうるさい」「寝ている時に息が止まっている」と指摘されたことはありませんか。それに加えて、日中に耐えがたいほどの強い眠気を感じるなら、「睡眠時無呼吸症候群」の可能性があります。この場合の相談先は、「呼吸器内科」や「耳鼻咽喉科」、あるいは専門の「睡眠外来」です。適切な検査を受け、CPAP療法などの治療を行うことで、睡眠の質が劇的に改善し、不眠が解消されるケースは少なくありません。また、夜になると脚がむずむずしたり、虫が這うような不快感があったりして、じっとしていられずに眠れないという症状に悩まされているなら、「むずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群)」が疑われます。これは神経系の病気であり、相談すべきは「神経内科」です。専門医による薬物療法で、つらい症状を緩和することができます。夜中に何度もトイレに起きてしまい、そのたびに目が覚めて眠れなくなるという場合は、「泌尿器科」で過活動膀胱や前立腺肥大症などの病気がないか調べてもらうのがよいでしょう。その他にも、アトピー性皮膚炎の強いかゆみで眠れないなら「皮膚科」、関節リウマチなどの痛みで眠れないなら「整形外科」や「リウマチ科」が適切な相談先となります。このように、「眠れない」という一つの症状の裏には、様々な体の病気が隠れている可能性があります。ただの不眠だと自己判断せず、他に気になる体の症状はないか、自分の体に耳を傾けてみることが、正しい病院選びの第一歩なのです。