私の娘が小学五年生の夏、学校から帰ってきたときの独特のツンとしたニオイに気づいたのが、すべての始まりでした。最初は「汗をかいたせいかな」と軽く考えていましたが、洗濯をするたびに脇の部分に消えない黄色いシミができているのを見て、確信が不安へと変わりました。自分自身も若い頃にニオイで悩んだ経験があったため、娘が学校で周囲から何か言われていないか、いじめのきっかけにならないかと、夜も眠れないほど心配したことを覚えています。インターネットで「子供、ワキガ」と検索すると、高額な自由診療の広告ばかりが目に飛び込んできましたが、その中で見つけたのが「保険適用で手術ができる」という情報でした。半信半疑ながらも、私たちは地域で評判の形成外科を受診することに決めました。受診までの道中、娘は「私の脇が臭いの?」と不安げな表情を浮かべていましたが、診察室で会った医師は非常に穏やかで、まずワキガが特別なことではなく、汗腺の性質によるものであることを娘にも分かりやすく説明してくれました。ガーゼを数分間脇に挟むニオイのテストの結果、娘の症状は保険適用の対象となる「重度」に分類されました。医師からは、剪除法という手術が保険で行えること、そして今の年齢で手術を行うメリットと再発のリスクについても丁寧な解説がありました。最も驚いたのは費用のことです。保険適用であれば、通常なら数万円かかる手術代が、自治体のこども医療費助成制度によって、窓口での支払いはわずか五百円で済むというのです。これには親として大きな安心感を得ました。結局、娘と話し合い、本人の「どうしてもニオイをなくしたい」という強い意志を確認した上で、冬休みに手術を受けることにしました。術後のダウンタイムは一週間ほど固定が必要で大変でしたが、抜糸を終えた娘が「お母さん、もう全然臭くないよ!」と満面の笑みを見せたとき、勇気を出して病院へ行って本当に良かったと心から思いました。子供のワキガは、放置すれば本人の自信を奪いかねない問題ですが、保険診療という公的なサポートがあることを知っていれば、親の不安も大きく軽減されます。高額な治療に飛びつく前に、まずは公的保険の枠組みで何ができるのかを専門医に相談することが、家族全員にとって最善の道であると、実体験を通して強く感じています。
悩む前に知りたい子供のワキガと保険診療の実際