あれは忘れもしない、昨年の夏の蒸し暑い夜のことでした。前日の夜に友人と食べた海鮮料理が原因だったのか、深夜二時を回った頃、私は突然の激しい腹痛で目が覚めました。最初は冷えによる腹痛かと思いましたが、すぐに脂汗が噴き出し、立っていられないほどの吐き気が込み上げてきました。トイレに駆け込んでも症状は収まらず、上からも下からも絞り出されるような苦しさに、私は「これはただの腹痛ではない、食中毒だ」と確信しました。しかし、平日の深夜という時間帯に、一体どこへ行けば良いのか、パニックになりそうな心を必死に抑えてスマートフォンの画面を叩きました。救急車を呼ぶべきか迷いましたが、まずは自治体の救急電話相談に連絡したところ、近くの総合病院の救急外来を紹介されました。這うようにしてタクシーに乗り込み、病院に到着した時には意識が朦朧としていました。救急外来では当直の内科医が対応してくれましたが、診察室のベッドに横になることさえ苦痛なほどでした。医師からは「何か心当たりはありますか」と聞かれ、前夜に食べた牡蠣や刺身のことを必死に伝えました。その後、すぐに血液検査と点滴が始まりました。激しい嘔吐と下痢で体内の水分が枯渇し、重度の脱水状態に陥っていたのです。腕を流れる冷たい点滴が、火照った体の中に染み渡っていくのを感じながら、私は医療機関のありがたみを痛烈に実感しました。検査の結果、細菌性の腸炎であることが分かり、その晩はそのまま処置室で夜を明かしました。朝方になり、ようやく吐き気が収まってきた頃、医師から「あともう少し受診が遅れていたら、腎臓に負担がかかって大変なことになっていたかもしれません」と言われ、背筋が凍る思いがしました。食中毒は何科に行くべきか、昼間であれば内科や消化器科と選べますが、夜間の場合は救急外来が唯一の砦となります。この体験から学んだのは、食中毒を「寝ていれば治る」と過小評価してはいけないということです。特に、水分を一口も受け付けない状態になったら、それはもう自力で治せる範疇を超えています。結局、私は三日間の入院を余儀なくされましたが、適切な医療介入があったからこそ、今こうして元気に過ごせています。皆さんも、もし自分や家族に同じような異常が起きたら、迷わず病院を頼ってください。あの夜の孤独な苦しみと、病院の白い天井の下で感じた安堵感は、私の人生において健康管理の重要性を再認識させる大きな教訓となりました。
夜中に襲った激しい腹痛と吐き気で救急外来を受診した体験記